岩屋寺のご本尊の製作は、鎌倉時代前期頃活躍した大仏師肥後別当定慶の作風に似ており、ふっくらした面相、形式化した裳の衣文線など、その製作は、鎌倉中期から後期の作と推定されています。
構造は、桧材の寄木造りで像高は100.2cmです。頭部躰部とも2材の割りはぎで、玉眼をはみこみ、内部のくりぬきをほどこしています。
寺法によりますと、大同年間に裏山から一体の仏像を得、それを安置するため現在地に草堂を設けたのが、現在の岩屋寺のはじまりといわれ、その時に一体の聖観音像を刻んで安置したのが現在のご本尊といわれています。
なお当寺は、周防33観音札所の16番札所にあたりご本尊は、秘仏で13ごとの巳年の春に3日間開帳されます。昭和56年には周南市指定文化財に指定されています。